森 小児科医院
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今月の話題

20215.14

今年2月から、医療センター等基幹病院のコロナワクチンの接種が始まりました。3月からすべての医療従事者の接種が始まり、4月中には終えて高齢者のワクチン接種を急ぐとなっていましたが、本日現在で医療従事者の約6割が1回目の接種を終え、2回接種を終えたのは対象の3割程度です。コロナ患者を扱っていない病院ではまだまだこれからという所ですし、介護施設の職員もまだまだという状態です。
そんな中で、高齢者のワクチン接種が始まりました。本来は、諸外国の様に集団での大規模な接種が、出来るだけ多くの方に急いで接種するには必要ですが日本では、何故かかかりつけ医でうつといことが求められています。また、急な接種の予約開始で、予約が集中するなど混乱が続く状態になっています。なぜ、こんな事になってしまったのでしょうか?

第1には、ワクチンの供給が遅れている上に、個別で接種する医療機関にも、いつからどれだけ供給されるのか全く分からなかったことです。京都市は、今週から医療機関での個別接種が始まっていますが、集団の接種はまだまだ十分ではありません。これは、行政に人がいないからです。人員削減で、保健所も保健福祉関係も感染が認められて一年以上が経過しても何も準備されていなかったためです。長岡京市は5月29日より個別接種が開始です。学校区ごとに集団接種を上手く利用されています。7月にはかなりの方が接種出来ると思います。

第2には、IT化が全く進んでいなかったことです。国は、ICTに取り組んでいるという所をアピールするため、デジタル疔設置や、感染者のICT登録、ワクチンの供給にシステムを立ち上げと色々言っていますが、最近漸くソフトが稼働し始めたというところです。今頃省庁を立ち上げても、コロナの感染対策には全く貢献できないのにこんな所にお金と人材を注ぎ込んでどうせよというのでしょうか?

第3に、戦略、将来ビジョンがないということにつきます。それぞれのシステムをバラバラに業者に発注しているのでいわゆる名寄せが全く出来ません。接種者を登録するシステムも医療機関に一台漸く届いたというのが長岡京市での実情です。それも、キチンと動くのかどうか?
集団接種でも、東京、大阪に自衛隊を送り込んでやろうというのでしょうが予約システムや自衛隊員以外の人の手当がそんなに簡単にできる様には思えません。混乱は必至ですが、やらないよりは良いと思います。突然に7月末までに終えろと言われても、ただでさえ、感染者の急増で自治体も保健所も手一杯です。ステップを踏んで対応を進めるという考えは全くないようですし、鶴の一声で下々は動くと思っているのでしょうね。

第4に、予約システムも自治体でバラバラです。高齢者にICTは難しいのは分かっていたことですが、それへの対応が全く出来ていませんでした。お子さんなり、お孫さんが替わりに予約をとって上げているのでとれたと喜んでおられる方が多いようです。また、諸外国の様にスマホなどで簡単に行政サービスが利用できるようになっていないということと行政も高齢者に配慮しすぎてICTなしでもアクセスできる様にしているため国民も何とかして貰えると思っていることでは無いでしょうか。
欧米は、自分で取り組まなければおいて行かれて住民サービスが受けられなくなるのでしっかりと自分で対応しておられます。

まあ、言い出したら切りが無いですが、政権も漸く本気でワクチンは確保したようですので、感染拡大を防いでワクチン接種の順番が来るまで頑張りましょう。遅くとも8月には高齢者接種は終わります。ただ、7月か8月からは65才以下の方の接種も始まります。
まだまだ、大変な日々が続きそうです。




2020.12.18
 11月からの新型コロナ感染の第三波は、嘗てないほどの流行となり、全国で重症者が増加。医療崩壊の危機が間近に迫ってきました。
 私たちの身近にも感染した人達がいることが普通になってきています。世界の流行を見ていても分かるように、ロックダウンをして人の動きを止めない限り流行は収まらないというのが本当のところだと思います。日本では、人と人との直接の接触はそれ程濃厚でなくマスクの着用や手指消毒をしっかりすることで流行が防げていました。しかし、自粛疲れ、GOTOキャンペーンでもう大丈夫じゃないか、若い人達は重症化することが少なく安心だという思いが強く会食や宴会が増え、日常の生活に戻ってしまったのではないでしょうか。しかし、軽症とはいえ中には強い症状をきたしたり後遺症と思われるような症状が長引いている人もおられます。油断をしないことが大切ですし、友人や家族に移さないようにするという気持ちが大切です。
TVなどでは、インフルエンザで死ぬ方の方が多いということをいう人達がいます。実際にはこの五年で最低の年が1130人、2018年は多くて3325人でした。これは、インフルエンザが直接の死因でなくなった方の人数です。インフルエンザで持病が悪化して亡くなった方は別の病名が死因となっている場合もあるので一概には言えませんが新型コロナによる死者数が3100人を超えていることを考えると相当多いと考える必要があります。新型コロナウイルス感染者が累計20万人を超えてきましたがインフルエンザが流行すれば1千万人以上が感染することを考え併せると高齢者には大変厳しい感染症であることは間違いありません。
 若い人達の感染は、クラブでのロッカールームでの着替えや寮生活が要因であることが多いといわれています。密と換気が足らないということです。仲間同士という気安さ、クラブでの上下関係なども影響しているかも知れません。また、成人でもそうですが、感染経路の判明している例ではやはり飲食関係での感染が相当数を占めています。大勢での会食はついつい気を許して大声での会話につながります。お酒が入ればなおのことだと思います。
 年末年始、外食の機会があると思いますが出来るだけ控えて感染を防ぎましょう。

2020.10.5
2020年8月初旬をピークに新型コロナウイルス感染症は漸く減少傾向を見せてきました。
しかし、GOTOキャンペーン開始から特に9月のシルバーウイークには多くの方が観光地に出かけています。京都は、インバウンドで人があふれていた去年より多くの人が観光に訪れていました。多くの人の移動は必ずコロナ感染を増加させます。感染機会を減らすしか現在の所感染を防ぐ術はないので手指の消毒、マスク、接触機会の減少に努めるしか防衛策はありません。インフルエンザの様にありふれた感染症と考えて社会が対応できるまでは、厳しい生活、新しい日常になれていくしかないのが現状です。感染予防を疎かにすると大統領でも感染してしまいます。(大統領が感染しないという事はないのですが)多くの方が移動する秋の観光シーズン、年末年始は確実に感染者が増えると予想されます。十分な注意をしながら、控えめな生活と感染予防に取り組んでの外出が求められています。

2020.9.1.
今年は、なんといっても新型コロナウイルスの流行でしょう。
1月31日に国内で初めての患者さんが確認され、ダイアモンドプリンセス号の乗客の感染と続き、多くの方は大変だと感じられたと思います。実際、我々医療関係者も今回の原因ウイルスがどんな性質でどの様な経路で感染するのか、罹れば全て重症化するのか全く分からなかったというのが実情です。日本人の生真面目さとマスクや手洗い外出の自粛などが大いに効果を発揮して第1波は一時重症者が増加し厳しい時期もありましたが世界ほどに感染は拡大せず、ほぼ収束しました。
 しかし、一筋縄では治まらないのが今の新型コロナウイルス感染症です。6月に入って感染者が増加し8月初旬をピークに漸く減少傾向が見られる様になりました。6月〜8月の流行は第1波に比べ感染者は急増しましたが、若年者に多く、高齢者に少ない、そのためか重症者が比較的少なくて収束に向かっているようです。
詳細なデータが国からも自治体からも医療界からも出てこないのでよく分かりませんが、今日本で流行してきたウイルスは、武漢からのものでも欧州からのものでもなく日本で変異してきた物のようです。そのために、多少重症者が少ないのかも知れません。
ウイルスの遺伝子解析が進んでいるのでいずれ明確になるでしょう。しかし、第三波が秋から冬に拡大する可能性は高いので安心することなく、感染症対策を行っていくことが必要です。

最近のトピックスから、正しい知識で適切な対処をすることが望まれます。以下に問題点を書いておきます。

課題1
 恐ろしい感染症か?

 致死率はイタリアがダントツに高くついでスペインですが、最近では米国で3,日本で1.7〜1.9です。インフルエンザが0.1%程度と言われていますのでインフルエンザに比較すると怖い感染症と言えます。しかし、今後の流行次第ですが、インフルエンザは、年間1千万人前後がかかりますので年間の死亡者数は今後流行が拡大してもどちらのウイルスに感染しても年間死亡される方は1万人前後ではないかといわれています。確かに怖いかも知れませんがかかれば皆さんが死に到るわけではないので十分感染対策をして生活すれば良いのではと思います。

課題U ワクチンと治療薬
 治療薬は既存の薬の治験が進んでいますし、感染者への重症化を防ぐための薬剤の使用方法も分かってきているようです。新しい治療薬の開発も進んでくるのではないかと思います。
 ワクチンも世界が国をあげて競争で開発をしています。来年には使用が普通になってくるかも知れませんが、安全性については短期間の研究では難しい面もあり、またインフルエンザワクチンも同じですが、コロナウイルスは変異も激しいようですので長期間有効な夢の様なワクチンにはならないのではないかと思っています。多少かかりにくくなる、軽くで済むかも知れませんが毎年接種し続けなければならないのではないかと思います。政治主導の過度な期待はしない方が良いと思います。

課題3 感染対策は?
 ウイルスは恐らく今後も年中存在することになりますので、気長に感染症対策をする生活を継続することが大切です。過度に過敏になったり(自粛の強要など)逆にコロナ疲れで感染予防がルーズになると感染の機会が増えてしまいます。
 飛沫感染もありますが多くは飛沫が付着した机や取っ手などから感染する機会が大きいと言われています。最近は、空気感染の可能性も指摘されていますので、マスクをして周りに散らさない、人が触った物には触らない、洗浄・消毒に努めることを日常的にすると良いと思います。




平成30年
風しんの流行について。
平成30年は、関東を中心に風疹が流行しました。
感染した人は、30代後半から50歳までの男性が大半でした。

何故でしょうか?

実は、同じようなことが4,5年ごとに起こっています。4年前にも同じことを書いていました。我が国の予防接種行政があまりにも貧困だからです。かつて、風疹の流行で沢山の妊婦さんが感染し、先天性風疹症候群にかかった子供さんが大勢おられました。
風疹ワクチンの重要性を小児科医、産科医は訴えてきましたが、昭和52年から女子中学生を対象に風疹ワクチンの接種が実施されました。麻疹ワクチンは昭和53年に1歳から7歳半のこどもを対象に定期化されましたが、平成7年からようやくそれまで一度も風疹や麻疹ワクチンを接種していない男女を対象に接種が行われるようになりました。ただ、対象年齢を細かく規定していたために、接種率は低迷し、平成13年に全年齢を対象にMRワクチンの2回接種を2年間実施。それでも、一度しか接種していない人や接種をしていない人が沢山おられます。
今回、平成25年の風疹の流行に引き続き再び風疹の流行が発生したのを受けて、39歳から56歳の男性に抗体検査とワクチン接種を原則無料にするとしました。それも3年間に限りです。

ワクチン接種を受ける機会を逃した女性や抗体が低下している女性については対象外です。(自治体が費用補助をしていますが)
本来はすべての人たちに接種を勧めるべきであり、麻疹についても接種を勧めるべきだと思います。(麻疹も一昨年成人を中心に流行しました)

期間を区切ったり年齢や対象を限定したりせず、すべての人たちに十分な接種機会を提供するのが国の役目であり、国民を感染症から守る大切な役目だと思います。


健康被害の発生から、子宮頚癌のワクチンは、接種の勧奨を控えることとなっています。しかし、子宮頸がんの発生をワクチン接種が低下させることは先進国では明白となっています。国が正確な副反応調査を行わないことが混迷を深めています。
現在は、接種を控える方が多いですが、大切さを理解して接種をされる方もおられます。
また、風しんの流行はおさまりましたが、しっかりワクチン接種をしていないと、再び5〜6年で流行しますので注意が必要です。行政では、風しんワクチン接種の費用助成を行っています抗体検査を実施して陰性の方は、予防接種の対象となり補助が出ます。ご相談ください。妊娠しておられる方の配偶者の検査も費用補助が出ます。
定期化された予防接種は、予診表が行政から送付されますが、お手元にないと接種できません。


ワクチンの予約は、インターネットでも可能です。
従来とおり、電話での診察、ワクチン接種のご予約もできますのでお電話でご予約ください。
申し訳ありませんが、予防接種のご予約はお電話かネットでお願いします