アレルギー疾患てな〜に
アレルギーとはなにでしょう。
本来は体を守るはずの体の中の「見張り役」防衛する力「免疫」という力が、害のないものが体に入ってきたときに「敵だ!」と勘違いして必要以上に反応してしまう状態です
どうしてアレルギーになるの?
原因はひとつではありません
•体質(遺伝)
•皮膚や粘膜のバリアの弱さ
•生活環境、大気汚染
等がいわれていますが沢山の要因が働いていると考えられます。
こどもに多いアレルギー疾患
今は多くの方がご存じのように
•アトピー性皮膚炎
•食物アレルギー
•気管支ぜんそく
•アレルギー性鼻炎・結膜炎
等がありますが免疫が関与する物にはこれ以外にも想像以上に沢山の病気があります。
また、アレルギー症状は成長とともに形を変えながら続くことがあります。
これを「アレルギーマーチ」と呼びます。
乳児期からでる症状は湿疹です。生後1ヶ月くらいからでる方も有れば3ヶ月くらいから湿疹が出て来る子どもさんもあります。6ヶ月くらいで良くなる方も有りますし続く場合もあります。離乳食を始めると食物アレルギーが出る方も有ります。湿疹があればみな食物アレルギーのせいではありません。
もう少し大きくなると突然ゼーゼーという呼吸になり気管支ぜんそくがでる人もあります。そして、更に大きくなるとアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎になる方も有ります。小さな頃には何もなかったのに大人になって花粉症になる方も有ります。このようにアレルギー疾患は形を変えながら出て来ることがあります。
アトピー性皮膚炎
どんな病気でしょうか?
•皮膚のバリア(外からの刺激を防ぐ力)が弱い
•かゆみのある湿疹がくり返し出る
状態で
1.我慢できないほどの強い痒みがある。(夜眠れない、かきむしる等)
2.特徴的な湿疹
3.慢性・反復性(症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す)
ことが定義です。だから、2〜3ヶ月の赤ちゃんにアトピー性皮膚炎と直ぐには言えないことが分かって頂けると思います。乳児では2ヶ月以上症状が続けば、大きくなれば6ヶ月以上続くと診断されることになります。
アトピー性皮膚炎の治療の基本
•スキンケア(保湿)
•炎症を抑える外用薬
が基本です。何よりも搔かないこと。そのためには
•軟膏は正しく、怖がらずに使うことが大切
スキンケアには、ヘパリン類似物質かワセリンを精製したプロペトが使われます。
治療には、ステロイド外用薬は効果の高いお薬です。特に痒みが良く治まります。ただ、沢山塗れば良いものでもありません。医師の指示通りにしっかりと塗布することが大切ですし、塗布しなくても良くなることも多いので恐れずに塗って、きれいになれば止めることも多くあります。
スキンケアは日常的に必要です。
湿疹は軟膏を塗布していても良くなったり悪くなったりを繰り返します。特にステロイド剤は塗ると良くなるのですが止めるとすぐに悪化することもよくあります。そのため、「薬をやめること」より**「良い状態を保つこと」**を目標にしてください。
きれいな肌になっても週2〜3回ステロイド剤を塗って徐々に維持していくプロアクティブ療法を指示されることもあります。自分で判断しないで医師に相談してください。
また、最近は新しいステロイド剤でないアトピー性皮膚炎の外用薬も種類が増えてきました。ステロイド剤よりは痒みのおさまりが弱いので効かないという方も有りますがステロイド外用薬やかく事で皮膚が固くなっているような場合には新しいお薬をしっかり塗ってかゆみが取れれば綺麗な皮膚になっていくことも多くあります。
重症の方には、最近は注射薬で治療することも可能です。指導を受けられれば自宅で注射を継続することも可能な薬剤がでています。検討されては如何でしょうか。
食物アレルギー
離乳食を始めると出て来ることがあるのが食物アレルギーです。
•食べたあとに症状が出る。(じんま疹、咳、嘔吐、下痢など、時にアナフィラキシー症状※)
•自己判断で除去しない
•必要最小限の除去が基本
•「食べられる量」を見極めることが重要
最近は、**「正しく怖がり、正しく食べる」**が主流です。以前は、除去食指導がされていたことが多かったのですが、最近は、食べられる量を見極め症状が出ない程度の量を食べてもらい、体にアレルギーになれて貰うようになってきています。そのため、なるべく早期から、卵やミルクなどを少しずつ与える方が良いと言われています。ただ、一度にアレルギーになりそうな物を大量にとるとアレルギーを起こしやすいので心配な方は小児科でご相談ください。
※アナフィラキシー
•呼吸が苦しい
•ぐったりする
これは緊急事態です。直ぐに医療機関を受診してください。
気管支ぜんそく
次に出て来るのが喘息です。
これは、
•アレルギーの原因となるものが体に入り気管支が狭くなり空気が上手くはけなくなった状態です。せきやゼーゼー、お腹が上下したり肩で息をしたりと息ぐるしさがあります。鼻が痰になってゼーゼーするのではありません。
•そのためには、発作を起こさない治療が大切
•中・高校生では運動で咳き込みがでることもあり
ホコリとかダニでなることが多いので出来るだけ掃除をしてホコリを避けるようにする事が大切です。
治療の目標
•発作を起こさない
•運動・睡眠・学校生活を普通に送る
「発作が出たら治療」ではなく
**「出ないように予防する治療」**が中心です。
アレルギー性鼻炎・結膜炎
最後に、大人になってからでも症状が出て来ることがありますが3歳くらいで症状のでる方も有るのが花粉症です。小さなお子さんでもたまにありますが・・
症状は、
•くしゃみ、鼻水、鼻づまり
•目のかゆみ、充血
ですが大半は薬でコントロールできます。
治療は
•抗アレルギー薬
•点鼻・点眼
•必要に応じて舌下免疫療法
どの抗アレルギー薬があなたにあうのかは、年令や副作用などを考慮して投与されます。効果がなければ他の薬剤が投与されます。種類が多くありますが何処で処方されるにしても投薬内容に大きな差はありません。点鼻薬も効果的です。
点眼薬にはコンタクト使用でも使えるもの、朝晩2回の点眼で良いもの眼瞼に塗布するものなど沢山の種類がありますのでご相談ください。
舌下免疫療法は、毎日薬を舌下で服用しますが3〜5年間続けることでその後は内服が不要になることが多い治療法です。現在、スギ花粉とダニ抗原にアレルギーの有る方が治療可能です。永久に効果があるものではありませんが効果は高く終了後年数を経過して再度症状が出ても、その後も追加療法で十分コントロールできると思います。ご相談ください。
検査について
•診断は血液検査だけでは出来ません
•血液検査は抗原に反応があるかどうかを見る検査
•アレルギー検査が陽性でも症状が出るとは限りません。
•血液検査で分からない抗原(製品がつくられていない、黄砂やPM2.5)もあります
検査だけで診断しません。明らかに花粉症の症状があってもアレルギー検査に何もでない方も有ります。
治療のゴール
•完璧を目指さなくていい
•普通の生活が送れることが目標
ゴールは「完璧」ではありません
•症状をコントロールする
•日常生活を楽に過ごす
ことが大切です。3〜5年は大変ですが、舌下免疫療法は症状も軽減しますし治療後は服薬が不要となることが多いので効果はあると思われます。
アレルギーは
**「一緒に上手につきあっていく病気」**です。
ご家族・患者の皆様へ
•不安や疑問は、遠慮なく聞いてください
•インターネットの情報だけで悩まないでください
•私たちはお子さまのために、患者様のためにともに取り組むチームです。

